「山形県朝日町 と 蔵王のあたり   2022.08
    
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 山形県にはだいぶ前に計4年間ほど住んでいたことがあるのですが、現住所からは東北の中でも遠い所にあるので訪れる頻度は高くありません。でもまだ見たことがない所や、何十年かぶりで頂を目指したい蔵王があるので、天気の成り行き任せて行ってみました。
 キャンカー利用の旅では、旅程や宿泊地が自由に変えられることが利点です。今回のツアーでは金・土・日の予定のうち、土曜日が天気が崩れそうです。出来れば中日に蔵王に登りたいのですが、直前の予報を見ながら判断することにして、宮城県の秋保大滝のあたりで散策するところから始めます。。
 名勝には神社仏閣とセットになっているところも多く、この滝も境内を通過した先に展望台があります。ずっと下方の谷底を望遠レンズで見ると歩道を歩く人が見えます。行ってみたい気もするのですが、時間配分を山形側に多く取りたいので割愛して進みます。
 宮城から山形へ越えるルートは国道や高速道など幾本もありますが、今回選んだのは一般車両が通行できる中では多分一番辺鄙な二口峠経由の道です。なぜか7月末まで通行不可で、8月から11月初めまでだけ通れるようです。以前は一般車には解放されていなかったということです。
 秋保大滝の前の道路に、先にビジターセンターがあることと、山形県まで通行可能であることが表示されていましたので安心して進みます。
 ただしビジターセンター前の案内板で、マイクロバス以上の大きさの車両はダメとのことです。私のキャンカーはギリOKというところでしょうか。
  高山の野営指定地などを除いて、一般の人が気軽に利用できるキャンプ場は、交通手段が自家用車しかないようなところが多いです。なのでテントサイトまで車を横付けして必要物資を下ろすのが合理的です。つまりオートキャンプ場が普通だと思います。でも旧態依然としたキャンプ場の中には車の乗り入れ禁止というところもあります。ボーイスカウトの訓練みたいに全て自己完結することを目指すのでなければ、現代においては車の入れないキャンプ場にどのような意味があるのか運営者には聞いてみたいところです。(こちらのキャンプ場がどちらのタイプなのかは確認できていません)
 ビジターセンターを見学して先へ進みます。
 またその先の道路情報板では怪しい段ボールの目隠し板がはがれた下に通行不可の表示もあったりします。このような重要な情報はきちんと管理してほしいものです。
 細くて曲がりくねりながらも舗装された道を、たまに対向車で後退したりしながら二口渓谷沿いに高度を上げてゆきます。
 展望個所からは仙台平野が望めたり、植生が固着できない急峻で巨大な岩盤が連なっているのが観察できます。この山塊は県境を越えて山形県側に入っても同様の裸地岩盤が散見されます。左写真は山形側です。
 西蔵王のあたりでPキャン適地を探します。西蔵王公園の奥に広場と駐車場とトイレがあります(上写真)。ですがあまりに環境が整っていて、車中泊を注意されたりしそうな気もするので、近くの西蔵王展望広場に移動しました(右上写真)。
 山形市内と月山を望み、夕陽を見送ってお休みにします。
 西蔵王公園内の広場には翌朝にも朝食場所として行ってみましたがPキャンしても支障はなさそうです。
 二日目の朝は予報通り曇り空で、高い山は雲の中です。雨交じりの予報でもあり、蔵王に登るのは3日目にして、朝日町のあたりを行き当たりばったり見学します。
 山形市のあたりの国道13号と最上川は、並行していますがその間に小さな山脈があり曲がった勾配のある道を越えてゆきます。朝日町に出ると、3年前に最上川でラフティングをした時の基地で元小学校のあたりに出ました。
 この日の目的地はGooglemapで見つけた大沼の浮島ですが、途中で案内板を見ながら良さそうな所に立ち寄ります。
 くぬぎ平の棚田 に来ました。一本松公園という小高い丘に遊歩道とトイレのある休憩所と広い駐車場があります。クヌギの漢字は写真のように木へんに、甚の漢字が使われていますが、辞書では別のようです。
 山形県内はじめ各地にも棚田があるようですが、こちらのように一望出来るところは少ないように思います。
 次に立ち寄ったのは八ツ沼です。静かな沼の水面に睡蓮が沢山咲いています。近くの丘にはお城があったようです。大きなトンボも飛んでいます。
 場内には、ここもトイレが整備されていてちいさな園地で気持ちの良い所です。たまに地元の車や業務車両が通りますが、Pキャンにも良さそうです。
 少し行くと 蓮がいっぱい咲いていました。睡蓮と違って湿地の水面から1m以上高い所にあり、花に近づくことが出来ないので、めしべなど花の中は観察できません。 でも仏教にもよく使われるように、厳かな雰囲気です。
 大沼の浮島に着きました。浮島というと岩手では西和賀の湯川沼と、安比高原の奥の多分無名の沼がありますが、それらは山奥でかなり登ってゆかないとたどり着けません。でもこちらは入り口に神社があり、集落も近くにあるし、植生も普通のススキなどが浮島になった感じです。全部で六十以上あるそうです。
 朝日町のワイン城に寄りました。試飲ができるのですがこの後も運転があるのでブドウ液を試飲して、別のワインを買いました。
 道の駅に寄り、果物を買って昼食にして、近くのりんご温泉でお風呂をいただきます。
 空気神社に来ました。私は宗教を信じていないのですが、こちらの神社は 社(やしろ・建物)の無い神社ということで、参拝させていただきました。
 世界の不幸の多くは、宗教の理念や対立が源になっているというのが私の考えで、いつか稿をまとめたいとは思っていますが、こちらの神社の理念には概ね共感できます。
 近くにはスキー場やコテージ村があり、けっこう人が来ています。首都圏からだとかなり辺鄙な所だと思うのですが、魅力があれば人は集まってきます。
 最上川沿いに南下して道の駅に来ました。赤い大きな鋼柱が立っているので吊り橋でもあるのかと思いきや、大きな簗です。
 夕方が近づいて食堂は閉まっていましたが、売店でアユの塩焼きをいただくことが出来ました。
 簗は最上川の全川幅を加工して制御しているようです。
 2日目はまた13号線沿いに戻って、みはらしの丘で一泊としました。
 3日目は期待通り快晴の夜明けです。でもこのあと朝日に照らされて水蒸気が上がり一時平地は霧となりますが、すぐにまた消えて晴天が戻ってきます。
 再び蔵王温泉のロープウェー乗り場に向かいます。

  「蔵王温泉」地域の中にあるロープウェイ駅は2か所あって、行き先が違うので登山に利用する場合には要注意です。今日の目的地は蔵王最高峰の熊野岳で、地蔵山頂経由なので「蔵王山麓駅」から出発します。
 夏は夜明けが早いのですが始発は830とゆっくりです。もっとも本格登山や縦走をする方はロープウェイなど使わずに自分の足でもっと早朝に出かけるのが普通かと思います。
 一時間以上前に到着して準備をしながら待っていると、ガイド付きのツアーの人たちが集まり始めていろいろとレクチャーをしています。少し離れて聞き耳を立てて勉強します。
 蔵王温泉街からは竜山が望まれます。この山の向こうに1年ほど住んでいたことがあります。ロープウェイは定時に出発しましたが、遅く並んだ人は次の便になってしまったようです

 
 ロープウェイと言っても型式が色々あるようで、山麓線は2台の箱が交互にすれ違いながら往復する方式ですが、頂上線はスキー場のいわゆるゴンドラで、常時循環していて乗降箇所ではロープを離してゆっくり進むタイプです。解説放送が終わる前に地蔵山頂駅に着きました。左の山は三宝荒神、右奥に地蔵尊が見えます。
 地蔵山頂までは10分程度でしょうか。登山アプリに投稿してあるタイムを見るともっともっと短い方もいますが、あまり参考にならないことも多くマイペースで進みます。そもそも非常時に備えた準備はしますが、無理のない行程・日程が高齢者には合っています。さっき降りた山頂駅が望めるとともに大展望が開けます。
 北西には出羽三山の最高峰 月山が雲間に望めます。その北にある鳥海山は確認できませんでした。
 地蔵山から熊野岳までは一度鞍部に下りますが、南の方に福島県境の吾妻連峰も望めます。(下写真)

 ・・・蔵王を登りて行けば 南の吾妻の山に 雲のゐる見ゆ  茂吉
 熊野岳から東方に伸びる稜線にでました。御釜は縁が見えますが水面はまだ見えません。避難小屋があります。避難小屋にも色々なものがありますが、こちらは噴火・噴石にも対応できる感じに作られています。御嶽山みたいに突如噴火したらここに逃げるしかありませんが、時間的に大部分の人は間に合わないでしょう。自衛策としてはザックを頭上に乗せて直撃を避けることでしょうか。
 熊野岳と避難小屋と御釜展望所の3地点の間は植生も少なく、あちこちに道があります。御釜を望みます。宮城側からの刈田岳駐車場に止めてくる人が山形側より多いかもしれません。見える御釜の形も違いますが、時期的なものか水面の色もその時によって違います
 蔵王・熊野岳頂上に立ったのはおよそ半世紀ぶりでしょうか。その際には蔵王温泉からすべて歩きで残雪にステップを切りながら登り、帰りの地蔵山では滑り台などをしたのでした。当時蔵王山寮という施設があって宿泊してきたのですが、現在は運営を休止しているようです。これからも懐かしい山々を巡りたいものです。
 蔵王に登った部分の動画をアップしましたので、こちらからご覧ください。